走れない。正確には走れるのだけれど、怖くて走れない。

基本的に長距離走は苦手である。幼少期より持久力がないのだ。長距離走になると途端にダメで、ペース配分を考えると「歩いてるの?」というようなペースでしか走れないし、小学生の頃のマラソン大会では、後発の女子に抜かされたこともある。どうやら単発型らしく、短距離走はまあまあ速く、得意だった。とはいえ、肉離れを起こしてからは短距離走も怖くて走れないのだが。

昨年、10月ごろからだったろうか。持久力をつけようと軽いランニングをはじめた。相変わらず持久力がなく、走り終わるとヘトヘトになっていたが、それでも週に数回続けていた。すると、走る距離は長くなって、僅かずつだが持久力がついていくのが実感できた。

しかし、ひざが痛い。走ると左ひざが痛むのだ。走ると必ず左ひざが痛むし、左ひざが痛んでいるときは必ず走っているときだ。激痛、というほどの痛みではないが、痛むんだから好ましいものではない。

思い返せば数年前、サイクリングを熱心にしていたとき。小径車で遠出した際にひざを痛めたことがある。もうペダルを回せない、それほど酷く酷く痛んだが、どうにか駅にたどり着いて新幹線で飛んで帰った。その時も左ひざだった。

さらに記憶を掘り起こせば、前述の肉離れも確か左の太ももだし、これで左脚はほぼ損傷状態。「運動はしないで」と、体からのドクターストップを二つ返事で聞き入れた私は今日も肥える。今日も、肥えていこう。